今日は私の大好きな漫画『バトルスタディーズ』(作者:なきぼくろ)について書きましょう。何も知らない犬と喋ってみた。
今日のテーマはバトルスタディーズ読んどけ!
野球漫画ですよね。漫画喫茶で棚に並んでるの見ましたよ。
おいお前、その程度なのか。お前の漫画への情熱はそんなものか。
いや、漫画は好きですけど。スポーツ漫画はジャイアントキリングくらいしか読みません。
同じモーニングのジャイキリは読んでるのかよ。まぁそれは良い。ジャイキリも面白いしな。それよりバトルスタディーズだ。この漫画の何がすごいかというと、めちゃくちゃリアルなんだよ。俺の知る限り、ここまでリアルなスポーツ漫画・部活漫画は一つとして無かった。
リアルとは…??
よく聞いてくれた。この漫画の作者「なきぼくろ」氏は野球の名門・PL学園出身なんだよ。で、甲子園にも出場している。つまり「野球がめちゃくちゃ上手い人が漫画を描いてる」。これが『バトルスタディーズ』の最大の魅力。ちなみに元千葉ロッテマリーンズ・東北楽天イーグルスの今江敏晃はPL学園野球部の2学年先輩だったりする。
たしかにそれはあんまり聞かないパターンですね。
で、『バトルスタディーズ』は大阪のDL学園という学校が舞台なわけだが、このモデルがそのままPL学園ってわけ。だから寮生活や規則、あとは体育会特有の”ノリ”みたいなのがめちゃくちゃにリアル。最初の方の巻とかずっと洗濯してる。1年生は上級生の練習着を洗濯してから寝ないといけないから。
野球やらないんすか。
いや、野球もやる。その野球の描写もいちいちディテールに凝ってて、例えば「送りバントは1発で成功させないといけない」みたいな野球の細かい部分の描写が多い。あとは全力で走った後のブレーキのかけ方とか。なんで送りバントは1回で成功させないといけないのかは実際に読んでみてくれ。
ふむふむ。じゃあ伝統校に入って、その野球への拘りやディテールの描写がすごいと。
その通り。ただ、それだけが魅力なわけではなくて。実は途中の巻でDL学園にめちゃくちゃ大きな事件が起きる。普通のスポーツ漫画では「いやその展開は……」と思ってしまうようなびっくり展開。ここで初めて、作者のなきぼくろ氏がDL学園(昔のPL学園)を通して何を描きたかったのか読者は考えることになる。ネタバレしない程度に言ってしまうと、上下関係や体罰、そして「甲子園こそが至上である」という高校野球の価値観にさえ疑問を投げかける展開になる。
甲子園に出た作者が、甲子園を否定する。みたいな事?
イエス。正確には甲子園を否定するわけではないんだけれども。現行の価値観には疑問を投げかける。この漫画の主人公の狩野って子はめちゃくちゃに破天荒なキャラだから、今の高校野球の価値観を豪快にぶち破って自分の道を快走していく感じ。それがめちゃくちゃにロックで楽しい。
なるほど、甲子園に出た作者だからこそ気になってる価値観みたいなのもあるのかね。
もしかしたらそうなのかもしれない。普通は自分の歩んだ道は肯定したいじゃん?でもこの漫画を読んでると、作者は自分や自分の環境と向き合って、そして野球との向き合い方についてとことん考えてる感じがする。だから言葉やセリフのパンチライン多いのよ。まるでロックやレゲエ、ヒップホップの歌詞みたいなパンチラインが多い。だから野球知らなくても言葉を追ってるだけでもグッと来るものあるんじゃないかな。
好きなセリフとか無いの?
いろいろあるけどな。主人公の狩野が言った「気合も根性もいらん。今自分がやるべき事に集中するだけ。チャンスはオレらで作れる。」とかは、この漫画の強さや価値観が結構現れてる感じがして好きだね。
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作者:なきぼくろ
カテゴリ:少年・青年マンガ
ジャンル:青年マンガ
出版社:講談社
掲載誌・レーベル:モーニング
カテゴリ:少年・青年マンガ
ジャンル:青年マンガ
出版社:講談社
掲載誌・レーベル:モーニング
「強育」は愛、栄光への通過儀礼。生きる術は全て「PL野球部」で学んだ。18人で天下を獲ろう。俺たちの前に、道はできる。元PL球児が描く超リアル高校野球漫画!